プライドの造形(カタチ)

春先にこんな記事をブログに上げた。恐らくは世間様の目に触れる事の極少ない、月見草(シュン蘭かも)みたいな竿になる…。何とか少しでも知ってもらいたいものと、開発途中にも関わらずメーカーの許可を(間接的に)得て露出した。あれから2ヶ月。名前の「さつき」が終わり、月が変わろうとしている。何かトラブルでも有りしや?心配になっていた。

本当に月が変わる数日前、塩澤ゴッド・ファーザーから大層元気な声で連絡を貰った。「出来たよ。送るから!」暫く世間話をしながら出来具合を探る。言葉の端々から、(良いものが出来た)という自信が伺えて一安心。
さぁ〜て!どんなもんだ!?腕を撫して待つ。

翌日は朝から落ち着かない。ジレジレ待つ…。午後2時過ぎに待望のチャイム。デカイ箱の奥から、緩衝材に包まれたキャメル色の起毛のライナーが現れた。

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全体像は魚絵師さんのログをご覧頂くとして、ディテールと造形に込めた思いを。暫しお付き合い下さい。

『キャリアを積んだ大人のアングラーに向けて』が開発のスタート地点。余分なものは一切付けたくない。けど、一瞥で『アレ』だと判るアピアランスにしたいから…。
<トロリとした黒塗装&金のティッピングを纏った黒のスレッドで、地味派手のオールブラックス>
<グリップすぐ上にナショナルカラー・赤白でMade in Japanのアイコン>
<金具類はA2017アルミ(Alと銅の合金・ジュラルミン素材)をシャンペン・ゴールド仕上げ>
<薄手に削り出したリングの内側に樹脂リング/(私には縁が無いド・高い)リール脚の傷防止>
<リールシートと前後グリップ・チェックに銘木を使用(バーズアイ・メープルor黒染アッシュ・バールorローズ・ウッド)>
<手に触れる部分には直線や平面がない、オーガニック・フォルム&ボリューム>
<自然に人差し指が落ち着くフォア・グリップのシェープ>
<締め過ぎによるコルク剥離を減らすための、リング・ローレット(意図判る?)>

(因に画像の銘木素材は黒染アッシュ・バール。魚絵師さんのは今ロット白眉の、バーズアイ・メープル也)

と、まあ、こんなとこ。

Fuji製チタンフレームKガイドを備えたブランクは、しなやかだがとてもパワフルなのが良く分かる。サンプル・ロッドからバットパワーが上がった気がするのは気の所為か?手直しなのか?フォアグリップのアルミ・ブッシュの効果か?素人には判らないが信じられない軽さや、バンブー・ロッドのメタルフェルール並の精度(抜く時「ポン!」と音がする)に擦り合せたプットオーバー・フェルール等、かつて1度も手にした事が無いグレードと仕上げに天龍の本気と底力を見た。

誤解を恐れず言ってしまうと、私はこの竿で「魚絵師さん」をカタチにしたかった。真っ黒に金の刺繍は一つ間違えば○●組…、上手く行けばブラックフォーマル。そんなカッティング・エッジを狙った。私もそうだが、自営業なんて半分…のようなもの、どちらに振れても満更間違いじゃないし…。それから、大事なことはオーソドックスなツールであるということ。バットエンドからセットしたリールステム迄の長さは2ハンドで丁度良い設定。魚絵師さんがよく言う『スタンディングでデカ鱒を獲る』為に「腕の延長として使える=肘で支えてジワジワ寄せる」長さだ。故に、ズ〜ッとしゃくり続ける釣りには少し長い筈。まあ、竿の調子もプログレッシブな本調子だから…、Case by Caseだね。

狩野川本流で振るのは叶わなかったが、梅雨が空けたら高山宮川辺りにでも出掛けたくなる、本気でそそられる竿になった。

ペア組むのは高性能な2500〜3000クラスだろうなぁ。




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でも、おいらはこれ!アナクロ爺zi~を、笑わば笑え〜。
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Commented by 安曇野の案山子 at 2011-06-03 15:05 x
お待ちしてました
振る日を楽しみにしております

以前 gooさんがおっしゃっていたイメージ ダースベーダーそのもので

フォーマルでいて 尚且つ粋な仕上げと洒落ているあたりがいいですね

特にグリップまわりは早く見てみたいです

シャンパンゴールドのリングシート いいですね~('-^*)ok
Commented by 石上 at 2011-06-03 15:52 x
岐阜の宮川 僕も何回か行きましたが デカイ 虹鱒が何本もウェット、ルアーのミノーイングで釣れたもんです~ 昼間っからヒゲナガがダラダラハッチしてたのを思い出します。
また行きたいなぁ~

さつきのロッドは大人の仕上がりですね。アクションは魚絵氏さんのフィッシングスタイルを観察していて想像が付きますが想像以上の物が出来上がったんでしょうねー 素晴らしい
Commented by てぃも山 at 2011-06-03 16:10 x
とうとう出来上がりましたね。
実際に手にとり振ってみたいです。
実物はさらにイイんでしょうね~。
Commented by Cさん at 2011-06-03 17:09 x
ついに完成しましたね!良い雰囲気が画像から伝わってきます。
カージナル4Xってあしらいもgoo~!画像UPって事はgoo~
さん家んちに有るんですよねェ?(笑)
Commented by goo~ at 2011-06-03 21:56 x
>コメントくださった皆さん
今夜から、チョイとお山のイワナに御挨拶に出掛ける事になりました。
明後日未明に帰り着く、久々の24時間日帰り出釣です。
レスは帰って来てから落ち着いてさせて頂きます。何卒平に御容赦を!

ほんじゃあ、毛鉤巻いて…、行ってきま〜す!
Commented by goo~ at 2011-06-05 07:48 x
安曇野の案山子さん、こんにちは。
意匠が好きかどうかは人それぞれ故、何とも言えませんが、イメージ
は想定してたモノに相当近いですね。細部を突き出すと(アソコもココ
も…)と欲が出て来ちゃいますが、デザイナーにとって100点満点のモ
ノづくりなんて有り得ないので、それはもう無い物ねだりなのかも知
れないし、竿の機能とボリューム感に文句はありません。
黒染アッシュもバーズアイ・メープルも良いけど、控えめなローズウッ
ドも大人っぽくて良いですよ〜。
Commented by goo~ at 2011-06-05 08:18 x
石上さん、こんにちは。
昨日は目的地までの最後の2〜30キロを宮川に沿って走りました。
数年前の水害からは完全に復旧してます。大分増水気味だったけど
濁りは無く、本流ルアーマン垂涎の流れでした。古川から上流は見て
ないけど、多分ヤバいくらい良いんじゃないかな。今回は指銜えて見
てただけ〜…、でした。
閑話休題。
最近20年以上はフライばっかの私が言うのもナンだけど、この竿はそ
そられ鱒!魚絵師さん、塩澤ゴッド・ファーザーとワイワイ話した『理想
の竿』のイメージに、相当近い、ってかそれ以上かも知れませんね。
このままのタッチで7f〜6fぐらいのラインナップがあったら、究極の断
捨離が出来るね、なんて魚絵師さんと笑い話してますよ。
Commented by goo~ at 2011-06-05 08:27 x
てぃも山さん、こんにちは。
「良いよ〜、イイヨ〜!」なんて身内褒めみたいなことしてても埒が開
かないですねぇ。この際、伊東に走ったら???
昨日の道中は垂涎の流れを指銜えて見ながら、この竿の事ズ〜ッと
考えてました。竿を抱えて再訪したい!!
Commented by goo~ at 2011-06-05 08:39 x
Cさん、こんにちは。
出来ましたよ〜。ありますよ〜、家に。
恐竜使いのCさんにこそ、握って貰いたい竿になった。そう思います。
4Xは半分冗談(半分本気)でしたが、ステラやイグジストばっかりじゃ
面白くないし、実際全然問題なく行けそうなバランスです。マジでライ
ン巻き替えようと思って鱒。
Commented by よねさん@鱒美 at 2011-06-07 21:57 x
こういうグリップで個性を出すのって限界があるんじゃないかな~と思ってましたが、1つ1つのパーツがそれぞれ主張し合って、存在感を形成してるんですね。
ぱっと見じゃわかりませんでしたが、よく見るとリールシートのあたりも微妙な曲線で構成されているのがわかりました。きっと、握ってみると、おっ!と思うんでしょうね。
白+赤+白で日の丸ですか!なるほど~。
Commented by goo_ism at 2011-06-08 08:21
よねさん、こんにちは。
意匠だけ見たら、何処にでもあるって言うか、チョッとづつどこかが違
う程度なのかも知れません。大事なのはシャフトの性能で、この竿は
それは完璧な仕上がりです。私がやったのは竿を使う人にとっての使
い勝手=リールがしっかり止まって弛まないとか、持ち重りし難いバラ
ンスとか諸々の案配をした上で、使う人が満足出来るであろうカタチと、端から見ても「オッ、あれだ」と判るアイコンを付加したって程度の事。
出来てしまえば「あんなモノは…」と言われるのはいつものことで、過
程の静かな興奮と慚愧の思いが醍醐味、といったところかな。面白
かったですよ〜。
by goo_ism | 2011-06-02 21:43 | design | Comments(11)