世界遺産(?)みたいなフライ

目の前にある、1枚の色褪せたパラフィン紙の包み。開封した箇所の糊が、黄色に変色しています。持ち主はFFゴッコの師匠・静岡のOhtaさん。私が初めてこの包みの中を見たのは、15年ぐらい前でしょうか。その時は凄さが分からず「フ〜ン・・」ていうぐらい。真似ようにも材料が揃わない、タイイングが激!難しい!!で、巻けたのは似ても似つかぬ代物ながらも実に優秀な毛鉤で、サイズ違いでフライボックスの大半を占めた時期もありました。

件の包みの中の毛鉤がそれ、ソーヤーニンフの傑作フェザンテール。ご他聞に漏れず、私もアル・トロスのレシピに興味は無く、フランク・ソーヤーのフライにいかに近づくか、ってのが今だに果たせぬテーマです。30年程前にOhtaさんがNZから持ち帰ったそのパッケージの事を、偶然知ったEJさんのブログを読ませてもらって思い出したのが1週間程前です。このパッケージの中身、参考になるかもしれません。講釈をしだすと切りがないし、素人がどうこう言える代物じゃないんで、画像と分かる事の注釈だけエントリーしてみます。取り敢えずご覧下さい。

先ず入手の顛末は・・。
北島のMotu Riverでの事。現地で知り合ったイギリスからのF.Ferが大層苦戦してたようで、見るに見かねたOhtaさん、「毛鉤はこれを結べ。・・結べたか?それじゃぁ、ここへ立ってあそこへ投げろ。・・・もっと右、1m先。・・・、もう1度、今度は左、・・この流れにラインを置いて、・・・それ、出たッ!!!」なんて(英語で)やって、楽しく釣らせたんだそうで・・。お礼にとそのイギリス人から貰ったのが新品・未開封の毛鉤だったそうです。彼のコメントは「フランク・ソーヤーの奥さんから買った」という事のよう。ソーヤー家のファミリービジネスだったのでしょうか?

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         マスタッドと思しき#14フックに巻かれてます。

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台紙裏に’フランク・ソーヤー’シグネチャー入り。直筆か印刷かは分かりません。(少しカスれてます)

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1本抜いてアップ撮影。この1本以外は台紙から抜いた事も無いとの事。

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光を当ててサイドビュー。少し明るく写ってます。タイイングはスカスカです。

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トップビュー。細身でキレイなテーパーは、スイマーの小蜉蝣などを思わせます。

果たしてこれを巻いたのは誰なんでしょうか?フランク翁御本人だと思いたいのですが、今となっては知る術もありません。S崎鱒二さんならば、謎を解いてくれるだろうか・・・。
それにしても見れば見る程凄い、オーラすら感じる毛鉤です。フェザンテール、グレイグースは数知れず巻いて来てるけど、私にはこんな毛鉤は絶対に巻けない・・・。フライの成り立ちも、これを巻いたタイヤーも、釣り界の世界文化遺産だと思います。
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by goo_ism | 2009-01-26 22:38 | フライフィッシング | Comments(15)
Commented by EJ at 2009-01-27 07:38 x
このエントリー、心待ちにしていました。ありがとうございます。
私は講釈が好きなので、話し始めたらキリがない(笑)。だから簡単にしときますが、ワイヤーの移動、テールの取り付け方、などなど参考になる画像でとってもうれしいです。
今どきのプロタイヤーのようではなく、一見無造作に見える巻き方に凄みがあっていいですね。職漁師みたいで。
何度見てもほれぼれします。ありがとうございました。
Commented by goo~ at 2009-01-27 10:28 x
EJさん、おはようございます。
私はもう、このフライを真似るのは諦めました。見てると吸い込まれるよ
うに感じるのは、御指摘の「職漁師のような凄み」なんですね、きっと。
ようやく合点が行きました。このフライはOhta師匠のところで再び眠りに
つきます。私も偶にこの画像を見て、リセットしながら巻く事にしますよ。
この写真も考察もEJさんのお陰、こちらこそありがとうございました。
Commented by goo~ at 2009-01-27 11:18 x
EJさん、追伸です。
エナメルワイヤー昨日発送しました。明日着だそうです。
(続)PTニンフ考察、楽しみにしてます。
Commented by fly-tomo at 2009-01-27 11:35
こりゃ~正しく世界の遺産と言って過言では無い。
ソーヤー家と所縁の釣り師とも繋がっているOhta氏、あらためて凄い人。
良い物見せて頂きました。
Commented by EJ at 2009-01-27 13:12 x
ワイヤーありがとうございます。
楽しみです。
でも、もはや考察するも何も、上の写真を眺めるだけで
十分なような・・・。
私はまだ真似して楽しい段階ですので、上のサンプルを
手本に、渋いワイヤーで練習させていただきます。
Commented by goo~ at 2009-01-27 13:51 x
fly-tomoさん、こんにちは。
フライをくれた英国人とは、文字通り一期一会だったようですよ。
当時のソーヤー・ニンフの流通も、どの程度レアなものだったのかも分
かりません。でもその人と外国で縁を持って、釣りガイド代わりが出来
て、感謝されたって事実は確かに瞠目すべき事ですね。
Ohta師匠、外見からは全然分りませんが、ホントに凄い人です。
Commented by goo~ at 2009-01-27 13:54 x
EJさん、楽しんでください。私も今一度楽しんでみます。
Commented by カズ at 2009-01-27 23:15 x
久しぶりにフランクソーヤーの名前を目にしました。そしてOhtaさん、凄いフライをお持ちですね。思わずフランクソーヤーの自伝「Man of the Riverside」を引っぱり出してソーヤーニンフの項を読み直してしまいました(^^;タイイング手順が結構詳しく載っています。gooさんの写真を参考に巻いてみます(^^)
Commented by goo~ at 2009-01-28 10:14 x
カズさん、こんにちは。
私はグレイ・グース#18〜22をユスリカ毛鉤として多用するんで、ソー
ヤーニンフは日用毛鉤です。しかし、これ程巻くのが難しいフライは珍
しいですね。極細エナメル線を手に入れてからでも100本以上は巻い
てる筈ですが、1本も気に入ったモノが出来ない・・。まぁ、釣れれば良
しとしてます。
Ohtaさんから教わった事、山程あります。例えて言えば南アルプス光岳
のような人、かも知れませんねOhta師匠。ソーヤーの自伝、いつか見
せて貰えませんか?
Commented by よねさん@鱒美 at 2009-01-28 22:16 x
そもそもニンフのなんたるかが分かっていない私なんで、フェザントテールというパターンも猫に小判的な存在なんですが、この10本セットのシートにまつわるドラマには、びびっとくるものがありました。
人と人との出会いはどれもみんなドラマチックだと思いますが、そこに重要なキーとなるアイテムが絡むと、一層素晴らしい思い出になるものですね。
Commented by goo~ at 2009-01-29 11:37 x
ドライフライ・ピュアリスト、よねさんもびびっと来ましたか・・。かくいう私
は痺れっ放しですが、こうは巻けないんです。ホント、難しい毛鉤です。

このニンフを取り巻く人、それぞれの人生やドラマを想像出来てとって
も楽しかった〜。いつかカウフマンを唸らせた先輩の事をエントリーして
みようかと思ってます。この人のドライフライ、マジで痺れますよ。
Commented by 八兵衛です。 at 2009-01-31 00:48 x
フェザントテールニンフなるほど!
全てのスタンダードフライにも
みな歴史や逸話があるんでしょうね?
新しいパターンやオリジナルばかりを考えていましたが
古きを知る事も面白いすね
またこげな話があったら聞かせてくだされ。
Commented by goo~ at 2009-01-31 13:32 x
八兵衞さん、こんちは。
フェザンテールはJeepster若が講釈してくれるでしょう。
NZ、殊にMotu Riverでの見釣りには絶対必要な毛鉤らしいんで・・・。
八さんはドライオンリーみたいだけど、持ってすら行かないんですか?
ピュアモルトも良いけど、ブレンドも旨いんですが・・・。
Commented by Jeepster at 2009-01-31 20:46 x
goo君久しぶり!
このフェザントテール、小生もNZ行き始めた頃、安藤のお家(当時は人宿町か本通りのマンションで見たかな?
イメージ脳裏に焼きつけ、真似てみた!エナメル線をスレッドでも巻いてみた!又ギズボンの町の古道具やでガイドのフランクとエナメル線を探し買っても来ましたが!
とにかく雰囲気がでないのです。
NZはフェザントテール良く釣れるんです!
イギリスのクラシックドライフライ、ウェットフライはたまたサーモンフルドレスと、雰囲気がやはり欧州人と違うのでは?
それらのフライも女性が内職的やっている写真を良く見ます?
gooさん御存知かも知れませんが、あのフルドレスサーモンフライをバイス無しで巻いているDVD見たこと有り、ショックでした。
話しは変わりますが、八殿じいさん祝いの会やりたいね!
Jeepster
Commented by goo~ at 2009-02-02 10:50 x
Jeepsterさんも当然見てて、参考にしてるだろうとは思ってました。とに
かくあのワイアーが胆でしたね。探し出してくれたO石先生に感謝です。
在庫わずかだったので、先日Ohtaさんに少し分けて貰いました。チマ
チマ使わないと、す〜ぐ無くなっちゃうだよね。プチプチ切れてロスが
多い所為もあるんだけど。ソーヤーには似ても似つかないけど、フェザ
ンテールとグレイグース、解禁に向けて少し巻いとこうと思います。

八爺祝いの会、解禁とダブル祝いってのはどうでしょう?
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